その湖は曇りか雨の時が最も釣果が出るようだ。前日は晴天で朝から一日ルアーを投げ続けるが、全く反応なし。だが夜から雨が振り出し気分も高揚する。宿泊した古宿で早めの朝食を取り、さて出発となった途端、太陽が顔を出す。複雑な気分で車に乗り込む。快晴の中、松原湖に差し掛かると、湖に映える真っ赤なカエデに遭遇。久しぶりに見る、真っ赤な紅葉に早速スマホでパチリ。これは何かが起こる前兆と胸が高鳴る。ところが目的地に到着するや、そんな甘い期待は一気にしぼんでしまうような強風が、湖に波を立てる。それでも果敢にルアーを投げ続けること2時間。寒さですっかり意気消沈していると、魚がヒット、ラインがどんどん出ていく。これは大物だ。少しずつ巻き上げるがまたラインが出る。しかたなく、リールをやや強めにし、やり取りしている内に急に手応えがなくなる、やってしまった。しかたなく相棒がいる風の少ない流れ出しに移動。半ばあきらめの境地で投げていると、いきなりきました。やはり何か持っているようだ。今度は慎重に取り込むと、50cm超の綺麗なレイボートラウト。ついにやりました。大満足の八ヶ岳の一日だった。相棒に持って帰ってもらったら「トキシラズ」より美味かったと。
—唐松の水辺の楓と競うかなー