今回は多摩センター駅を降り左手の山側を歩いてみた。その前に妻のジョギングシューズがみずぼらしいので、駅周辺の靴屋に寄り、ちょっと奮発する。「今日は65歳以上の方は10%Off」との店員のなんと美しいことか。気分を良くし、まずは恵泉女学園と多摩市がコラボする植物園らしきところへ。自然の花に混じり園芸種もある庭を散策。室内でコーヒーをいただく。つぎに神社に寄り道すると、石碑を発見。多摩ニュータウン開発時の、地元住民の活動の歴史が刻まれ、胸に沁みる。多摩センター通りから、近くに見える団地へと登る。まさに登るとの表現にふさわしい階段と上り坂。私たちの前を高齢の男性が、買物の荷物を持ち、ゆっくりと登っていく。その奥には幾棟もの建物が並ぶ。世田谷の団地とは大違いで、棟と棟の間隔が広く、樹木や草花が多い。駐車場も幾つもある。どこまで登っても号棟は尽きず、途中で東側の永山方面へと歩を進める。道路に出ると、私の好物、山ももの並木が並ぶ。まだ早いが一番熟した実を噛じる。甘酸っぱさが脳天に響く。
左手にはちょっと洒落た豊ヶ丘団地が並ぶ。ここも見渡す限り沢山の棟がある。次に控えるのは貝取団地。団地ばかり見ているとなぜか疲れ、高校の脇の風が通る木陰のベンチで一休み。腰を上げ歩きだし、鎌倉街道の橋を渡ると、団地が途絶え、戸建ての住宅地となり、ようやく自販機にお目にかかる。どの団地でも、商店・自販機・コンビニが、ほとんど見当たらないのは謎だ。コンビニや自販機が、近くに当然のようにある生活をしている身には、住むには不安が襲う。お腹もすいたので、携帯に出た永山団地のグルメシティの文字に向かって歩く。辿り着いたところは、すでに過去の遺物と言うのか、当時の繁栄は残すが、シャッターの閉まった店が10数件並ぶだけだった。すでに時計は1時30分を指し、日差しも強く疲労もピークとなる。今は洒落たマンション風の高層建築となった、元諏訪団地を右に見ながら、車の台数には不釣り合いな、広い道路をひたすら永山駅目指し歩く。駅ビルのなかで、二人合計1100円のカレーを頬張る。時計はすでに、2時30分を指し、団地の中を2時間近く歩いていたことに気づく。
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