25年間も5月と8月は、秋田・青森の岩魚釣りが恒例となっている。夏は大渓流といえども減水する季節となり、絶好の渓流釣り日和となる。この時とばかりに最原流まで行けるチャンス到来。沢の中を渡渉を繰り返し、滝を登り、森の緑を独り占め、毛鉤を振込み岩魚の数の多さに魅了される。
ところが5月のゴールデンウィークはそうは行かない。山の頂きを白く隠し、幾く筋も白く谷間を飾る残雪は、とてつもなく大量の恵みの水を惜しみなく供給する。それは神々が眠る、神聖な山の頂きへ俗人の侵入を拒むかのような仕業とも見える。我々はそんな神のお告げを心安らかに快諾し、それではと秋田に通って20年、未だ姿を見せない男鹿半島のナマハゲに会いに、半島一周を計画した。
まず向かったのが道の駅「てんのう」名前にギョオとしたが、天王との地名だったが最初から掴みはエグイ。総敷地面積198万平方メートルに、温泉や・BBQが出来る広場・大型の池がある庭園・約600台収容の駐車場・60メートルのスカイタワーからは半島が一望出来る、おそらく東日本最大の道の駅ではないか。いよいよナマハゲの里へと向かうが、果たしてその正体とは。
山深くへ車を走らせると、真山神社へと到着。周辺にはナマハゲ館など施設が並ぶが、ナマハゲの出現?は冬期限定らしい。仕方なくとは失礼だが、最奥の修験道の霊場と言われる、真山神社の奥社まで、古来のままの石段を15分ほど登り身を清めてきた。能代までの帰路は、施設も家もほとんどなく、車も往来しない海沿いの道を、ひたすらアクセルを踏み、2時間かけて到着した。