南アルプスの麓、標高1000mにある集落を、絶景ビューポイントから見ると、アルプスの少女ハイジが暮らす部落、チロルを彷彿させる風景がひろがる。その展望台までは山道を登ること20分、晴れていれば南アルプス前衛の山々が広がり、その後景には聖岳、兎岳、茶臼岳という3000m級の山々が望める。下栗には現在も人々が暮らしているというから凄い。飯田ICからだと約1時間30分、細い山道を登り切ると、山奥にはふさわしくない、30台ほどの大駐車場もある。お腹もすいたので、1軒だけの食堂「はんば亭」という食事処へ。下栗の里で栽培した手打ち蕎麦があと5食分だと聞き、天空そば定食を注文。素朴な中にもおばちゃんの香りも感じる蕎麦だ。下栗で栽培したじゃがいもで作るコロッケも絶品。売店で近頃めずらしい筆柿を購入し山を下ると、道の駅があるが、そこで思わぬ収穫があった。2年間にわたり道の駅などで探し求めていた「とちの木せんべい」に、やっと巡り会えたのは幸運だった。
—山間に婆の新そば噛みしむや—