今年に入り右目だけが極端に視力が落ちたので、眼鏡店に相談にいくと、医者での検査をすすめられた。検査では「白内障」との判定、すぐ手術と言う。友人に聞くと目の膜を切り、レンズを入れる15分程度の簡単な手術と言うので、早速手続きをした。ところがこの手術、手術前と後で手間暇がかかり大変なこととなった。手術前に目の検査や手術の打ち合わせ、内科検診(血液検査ではエイズの項目もある)などで4日間。かかりつけの医者から、私の身体の状態を知らせる書類も取り寄せる。さて手術当日、朝8時30分集合。本日は7名全員が1日入院で、それぞれ病室を与えられる。私は二人部屋となったが、何と同じ高校の二年先輩と奇遇な巡り合わせとなる。積もる話は尽きず、看護婦もあきれる。手術は年齢順とのことだが私は三番目で、意外なことに若い人が多い。車いすで病室へ、麻酔の目薬を指し、いざ生まれて初めての手術台へ。片目だけを出し、顔も固定される。まさにまな板に乗った鯉の心境。多分瞳孔は開いたままなのだろう。やがて目の奥に台形と長方形の物が見えてくる(人によって見え方は違うことが後で判明)。医者が「今日の患者は皆若いので順調だね」という声が聞こえる。私の感覚では手術は10分間くらいだったのだろう。大げさな眼帯(私はこれをバルタン星人と呼んだ?)をしてもらい車椅子で病室へ。トイレで鏡を覗くとまるで別人。3時30分ころに帰還命令。段差が危険と女房に迎えにきてもらう。手術後は、3種類の目薬を5分おきに、朝・昼・夜・就寝前と一日4回点眼を義務づけられる。さらにこの行為を一か月継続する。手術後は一週間に4回の診察があり病院へ。1日目は入浴禁止、その後も洗髪でお湯は絶対に目に入れてはいけない。術後本人の処置が悪く、失明した人もいるとの話も聞く。と言う訳でいまも目薬は離せない。たまにチョンボもする。