先週号のエッセイで山の遭難について書いたら、その数日後に御獄山の噴火が起きた。すでに「花のおたより」は発行されていたが、ある方より言葉をかけてもらい、今回御嶽山の遭難について書いてみた。
あの時山頂付近にいた登山者の心中は察するに余りある。おそらく多くの方は「死」を意識し逃げ惑ったことでしょう。まさか登山であのようなことが起きることを誰が想像したでしょうか。もし自分があの場にいたらどんな行動がとれたのか。
さらにほぼ同じ場所で噴火に遭い、生死を分けた結果は単に運では片づけることは出来ない何かが作用したような気もした。
墳石から身を守る、墳煙を吸わない、身を守る場所の選定、歩くか隠れるかの瞬時の判断等、おそらく多くの登山者は生死の境で様々なことを考え行動したことだろう。そしてそれぞれの人が絶望の中でも生還に向け、いま自らが取れる最良の判断をしたことと思う。それでも現実は厳しく57人の死者と未だ冷たい山頂付近では春を待つ行方不明の方が眠っている。
美しい山々を持つ国だからこそ、登山者の安全を守る対策が急がれる。