いつ頃からだろうか、冬の街なかに甲虫類が行き交うようになったのは。それも多くは黒が圧倒的に目立つ。赤や緑のカラフルな色は少ない。前面は甲虫そのものだが、背中はどうだ。甲虫類の背中は、緑や青もあり、カブトムシやクワガタの黒色はツヤツヤしていて、美しい。それに比べれば、街の甲虫類はツヤがない。そんな街になったのはいつ頃だろう。うる覚えだが、冬山登山で使用されていた羽毛服(昔はそう言っていたが今はダウン)が、20年ほど前に街なかでちらほら見られるようになったと記憶している。まさか羽毛服が街なかで流行るとは思っていなかったが、それ以降ユニクロのライトダウンなどの発売が更に輪をかけ、ダウン全盛の時代となったのでは。これ以降川・海・山で使用されて来た、所謂アウトドアで使われてきた服装が、街なかに進出したのだろう。羽毛服については、更に遡ること50年くらい前の1960年代にアメリカの払い下げを専門に扱う洋服店に、ジーパンと一緒に米軍が使用した羽毛服があったのを記憶している。モスグリーンの寝袋もあったが、ダウンは通常水鳥の胸毛が使われているが、その寝袋からは、ニワトリの羽根のような大きな羽根が出てきたのを覚えている。ちなみに私が今から50年前に使用していた、当時は相当高価だった山用の羽毛服をひっぱりだしてみたが、シワシワですでに使い物にならなくなっていた。
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